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Paris way essay collection

born in Kanazawa and dies in Kanazawa

レトリックを楽しむ

「言葉」を辞書で繰ると、言葉とは音声の組み合わせが決まった意味と結びついて、人間の気持ちや考えを表現するための手段として使われるもの。またそれを文字であらわしたものと定義されているのだが、日常の生活や社会活動を営む中 で、言葉は欠くことが出来ないものであると人々は認識している。しかし、言葉の用い方の中には、微妙な意味合いの表現になるように言葉を飾った巧みな言い方を指す、「言葉のあや」や、言い難いことや言いたくない時に曖昧な言い方を 指す、「言葉を濁す」などの言い習わしがあるように、言葉の遣い方に規則や形式が完全無欠として立ち塞がっているわけではなく、例えば、話し方の訓練などを全く受けていない前提で、同じ内容のことを三人に語らせた場合、三者三様の 言葉の遣い方によって、心地良く耳を傾けたくなるような話し方をする人もいれば、耳障りで不快感を覚えてしまうような話し方をする人もいる。勿論、話す人の見た目の印象や声質、それに聞く側の姿勢等の違いによって、個々人の捉え方 も変わって来るだろうが、そもそも人を惹き付けるような話し方は、一朝一夕で身に付くものではないから、研鑽に努め成果が如実なものになってくれば、その人の大きな魅力となるだろう。しかし、世の中には様々な甘言を弄し、人を誑か そうとする輩もいるから、同時にそれらをきちっと峻別出来る「人を見る目」も養っておかねばならない。

さて、タイトルの「レトリック」とは、言葉を効果的に使って美しく表現することを言うが、老い先短いこの凡夫が、修辞学を完全に理解し遣いこなせるまで至るとはとても思えない。精々が「レトリック」という語の心地良い響きにうっと りとするのが関の山である。しかし、このサイトの本筋は私の心を文字に置き換えた姿であるから、レトリックを上手に遣いこなせれば、その姿をより輝かせてくれることは間違いない。だから、いつも心の片隅に淡い期待の灯を点し続けて いるのである。


★試行的短編「月」近日アップ予定です。

時を刻む

時を刻むイメージ齢を重ねると、月日の流れの速さに驚かされます。桜花が散って夜汗ばみ、夕陽の
落つるを数えて新しき日の出を待つ。日々は記憶に留まらず、生きている証が定ま
らない。息をするのももどかしくなれば、未だ知らぬ次の世を想う。人の一生は余
りにも短く、若かりし頃の思い上がりもこだわりも、この齢になり、ようやく身に
付き始めた理性らしきものも、時と共に消えて行く。

人はこの世に生を得た時から、死への道の中に身を置きます。いくら寿命が延びた
といっても、その先には老いぼれた心と姿があり、骸を晒します。大往生を持ち出
したところで、この大自然から見れば微たるもので、刹那にも値しません。仏教でいうところの、劫(下記の [注]を参照)とはいわないまでも、せめて喜怒哀楽を充分に味わえる寿命があったなら。

人はその短い一生に自由を求めます。そこに自らが生きている証を造ろうとするからです。しかし自由は、時に支配された小さなものでしかありません。そしてそこに組み込まれた人は、その小さな自由を何のためらいもなく、受け入れようとします。

時から放たれると、そこには完全な自由がありますが、人は敢えてそれを手にすることを、望もうとはしません。時を刻む。大自然が人に与えたこの刑罰に、人は服従します。人は試されているのかも知れません。この大自然の中に生かされている人が、何を考え何を行うか、そこに無しかなければ、時を進め、有を待つ。人はそれを知らずに生きて行きます。

[注]劫とは極めて長い時間のこと。

①百六十km四方の城に芥子粒を満たし、三年に一度それを一つずつ取り出し取り尽す時間。
②百六十km四方の大石に、天女が三年に一度降りて来て、衣で触れて、その大石を磨滅し尽くす時間。


attention


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