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Paris way essay collection


組織に生きる


組織というカテゴリーに、終生一度も属したことが無いという人がいるのかどうか知らないが、殆どの人は何等かの組織と関係を持ち、日々の糧を得ようと している。組織は社会の基盤であり、その大小や営利の形態を問わず、様々な組織がある時は単独で、ある時は連携して、社会を回している。人が 組織に属すると、「組織の歯車」と形容されることがある。どんな組織であれ、組織を動かすのは人であり、組織に属した人は、その組織のルールに従い、 組織のために自らの能力を発揮する。また、組織には代表する責任者がおり、その名称は様々であるが、責任と同時に大きな権限が与えられるのが一 般的である。

そんな組織に何か不祥事が発生すると、同じ不祥事を再び起こすまいと、再発防止のための施策が講じられるのであるが、不祥事の内容によっては、 その責任を明確にせんがため、組織の代表者が辞任せざるを得なくなったというのは、よくあるパターンである。これは、代表者の馘を差し出すことによ って、不祥事幕引きの画策を企てたことに他ならないのだが、これが思惑通りに運べば良いのだが、簡単にそうにはならないのが普通で、それはどうい うことなのか、ミカン箱を組織と見立てて例えてみたい。

「ミカンが一杯に詰まったミカン箱を開けると、一番上の真ん中に一際大きなミカンがあるのだが、残念ながらそのミカンは一目で腐っているのが分か った。しかもそのミカンの周りのミカンも腐っているように見えたので、の全てのミカンについて具に調べてみると、次の四つに分類できた」

    (A) 皮は腐っているが実は腐っていない
    (B) 皮も実も腐っている
    (C) 皮は腐っていないが実は腐っている
    (D) 皮も実も腐っていない

つまり、組織の代表者だけを排除しても、代表者の取り巻きや大きな影響を受けたことを隠そうともしない者たちの刷新をせずにいれば、再び同じ不祥 事が起こることは十分に予想できる。特に、(C)のように見た目に誤魔化されてはならない。むしろ、このタイプには十分な時間を掛けて調査し、後顧の 憂いを取り除いておかねばならない

過日、東京五輪の大会組織委員会の会長が、女性蔑視ともとれる発言をし、その後に会長は自らの発言を撤回し、陳謝したものの、その有様がまる で逆切れしているかのような態度だったので、更に国民はもとより、外国からも反感を買い、とうとう辞任に追い込まれてしまった。しかも、正式に辞任を 表明する前に、辞任後も暗躍するかのような企てをしていたことが発覚したため、恥を世界中に晒すことになるのだが、そもそもこの人は、総理大臣まで した人であったが、数々の失言で短命な政権で終わっている。とにかく、大会直前になっての辞任劇は何とも罪作りなことをしてくれたものである。この人 は会長として多大な功績があったと擁護する人もいるが、良いところだけを見て悪いところに目を瞑れば、どんな人でも良い評価を得ることが出来る。

組織の長に与えられる権限は組織によって様々だと思うが、一度その地位に就くと、当然ながら責任も重くはなるのだが、自分を中心にして組織が回っ ているという感覚が何とも気持ち良くて、このポストは絶対に手放したくはないと思うようになる。こうなれば、部下を育てようとはしない。自分のポストが狙 われるかもしれないからだ。周りはイエスマンだけで固め、反発する者は遠ざける。そして、この地位を去ると決まった時は、組織への影響力を残そうと企て るのだが、組織は隠していた非情さを露わにし、瞬く間に新しいリーダーの風に染めていくのだった。