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Paris way essay collection


「有事」の生き方


2019年末に発生した新型のコロナウィルス(COVID-19)が世界中に蔓延し、既に8000人以上(注1)の人が命を落としている。この ため、WHO(世界保健機関)は、この感染症がパンデミック(広範囲に及ぶ流行病)として認定し、全世界に向けて感染の防止に動くよう に訴えたのだが、そもそもこのウィルスは、中国の湖北省武漢市の生鮮市場が発生源として見られ、取り扱っていた野生動物のウィルスが、 人に感染したのではないかとの見立てであったが、未だにこのウィルスの詳細は解明にされて至らず、当然ながらその治療薬も日の目を見 ていないため、パンデミックが発せられたものと思われる。

日本でも連日ウィルス検査で陽性者が出ていることが報告され、感染終息の風は一向に吹いてこないため、テレビのニュースもこのコロナ ウィルス関連がメインで報道されるのであるが、どのテレビ局も似たり寄ったりの報道の仕方で、概ね政権や行政側への批判をメインに展 開するのはマスコミの平常運転であるが、いくら行政側がこんな時だからこそと説明し理解を求めようとしても、具体的ではないとか、不安 は何一つ解消されていないとか、この機を政局にと目論む野党と連動するかのように、重箱の隅を突いて見せるあざとさを隠そうともしない。

2011年3月11日の東日本大震災では、多くの人たちが団結し連帯し、日本人の絆を確かめ合った。だが、このコロナウィルスに関して は、他人事として捉えている人が多い。周囲を見渡せば殆どの人はマスクをしているが、自分の行動範囲に感染者がいなければ恐怖感 もなく、切迫した状況にもならないから、「不要な外出は控えて下さい」と言われると、「それじゃあ、何をして過ごせと言うの?」と居直って 見せる。しかもこれが、街の声として取り上げられ、マスコミはしたり顔でほくそ笑みながら煽りを楽しむ。

先日、安倍首相は、全国の小中高校を休校とするように各都道府県に要請することを決断した。ここまでの感染の拡まりで、スポーツや 文化面などの催しが中止や延期、あるいは無観客の中で行われている状況であるから、当然と言えば当然なのだが、この時期は、卒業 や入試、進級等で気忙しい年度末にあたることから、突然に出てきた政府からの休校要請に混乱し批判も出てくることは理解できる。

しかしながら、今の日本は日々ウィルス感染者が増え続け、その終息が全く見えてこない状況であり、マスコミ等で何度も報道されてい る「クラスター(集団)発生のリスクが高くなる3条件(注2)」に照らせば、学校はまさにこれに該当し、感染予防の基本である人と人との接 触頻度を抑制することにあるなら、こういった策は有効性が高いと言えるのだが、共稼ぎを主張する親や、「クラスター」を何ら理解できずに いる親もいるわけで、子供の命と稼ぎを天秤にかけることに理解が及ぶものではないが、今の社会の有様は尋常では無いことぐらいは理解 せねばならない。未だにウィルスの詳細が分からない中で、神経の図太さを誇っても仕方がない。

半年後のオリンピックやパラリンピックの開催がどうこういうレベルの話ではない。日本の国体の存続が左右されるレベルの有事であるからこ そ、今国民はどうあらねばならないかを整理しておきたい。先ず、この期に及んでも現実を受け入れられず、批判でしか口を開けぬ人のこ とは無視しても構わない。そんな人たちに忖度する余裕があるなら、それは家族に向けるべきだろう。

1.新型コロナウィルスが撲滅されるまで、自らが感染者にならぬような自覚の上に立つ。

2.感染予防の実践を日々の生活の中で習慣化し、免疫力を高める食材を摂取したり運動をしたりする。

3.デマや誤った情報をに惑わされぬよう信頼できる情報源や人間関係を構築しておく。

そもそも日々の生活が身だけていれば、感染力を高めてしまう。「有事」は自分自身の生活姿勢を見詰め直すチャンスでもある。

 
注1.死者数は日々変わっており、この数値は2020年3月18日WHO発表のものである。

注2.「クラスター発生リスクが高くなる3条件」

    ①密閉空間であり換気が悪い
    ②近距離での会話や発声がある
    ③手の届く距離に多くの人がいる