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曖昧な寿命と生きる


テレビを見ていますと、健康食品(巷ではサプリメント、略してサプリと言ったりする)の類のコマーシャルが沢山流れております。演じている人が俳優なのか一般人なのか知りませんが、「私はこのサプリを毎日飲んでいるお陰で、毎日がとても楽しいの」と、破顔一笑で医者いらずの風を装っているのですが、画の隅には、お約束事の「効果はあくまで個人的な感想です」と、小さなテロップでしっかりと歯止めがされており、信じる者は救われる感が漂う嫌なコマーシャルとなっております。

まあ長生きしたいと思うのはご自由ですし、その源なるものがサプリであろうと何であろうと、他人がとやかく言うべきことではないのでしょうが、人は不老不死とはいかず、いずれはこの世ともお別れしなければなりません。ちなみに、日本人の平均寿命は、厚生労働省の発表によりますと、2017年において、
     女性 87・26歳   男性 81・09歳
と、世界の国の中でも最長寿クラスを維持しているようですが、そもそもこの平均寿命というのは、オギャァと産まれたばかりの赤子があと何年生きられるかというものですから、サプリ愛用者の皆さんは、もう既にそれなりの歳になられた方が多いので、むしろ、平均余命の数字を眺めた方がよろしいのではないかと思います。これも厚労省が発表していますのでそれに依りますと、例えば私と同じ70歳の人では、
     女性 90・03歳   男性 85・73歳
で、平均寿命より三歳ほど長生き出来ることとなっています。もちろん、これは確定されたものではありませんから、更に長生きされる方もいればそうでない方もいます。

まあ私なんぞは、サプリどころか未だにあの嫌われ者をプカプカやっておりますし、医者からは死ぬまで飲み続けよと、有り難いお薬も頂戴しておりますから、とても平均余命までは難しかろうと思いますが、ここまで生死を彷徨うな目にも遭わなかったのは、仏様のお情けか、悪運の強さなのか、いずれにせよ感謝したいと思います。

さて、巷の終活では自分史を作るのが一つの流行みたいに言われていますが、子無し夫婦ですので、そんな物を作ったところで無駄になるだけですから、更々作る気は無いのですが、こと病歴については、何か結構面白く思えるので、忘備といううことで記憶を辿ってみたいと思います。

 6歳   鎌鼬(かまいたち)に襲われ負傷する
      若い方は鎌鼬をご存知ないかも知れませんが、つむじ風の中心に出来る真空部分に
      肌が触れますと肌が裂け出血をいたします。昔、赤胴鈴之助という漫画がありまし
      て、この中で鈴之助は真空斬りなる必殺技を使っております。

12歳   走り幅跳びで骨折する
      運動会の練習で、走り幅跳びをしていたのですが、運動靴の紐がほどけていたのに
      気付かず、踏み切りとともに紐を踏み、右足膝から着地したため、膝下を複雑骨折
      してしまいました。大学病院で手術を受け回復までに3か月を要しました。いまで
      も骨を固定するボルトが膝に入っております。

35歳   左目の視力が急激に衰える。
      左目でものが見えにくくなり、焦点もあわず対象物が歪んで見えたりといった症状
      が発生したため、大学病院で精密検査を受けたところ、「老人性円板状黄斑変性症」
      という病名を頂きました。普通はレザー手術で治るそうですが、私の場合、患部が
      黒目に近かったためそれも敵わず、現在に至っております。

45歳   パニック症になる
      パニック症は、突然息苦しさを覚え、過呼吸になり、もしかして死ぬかもという恐
      怖心に襲われる病です。大学病院に入院し精密検査を受けたのですが、この当時は
      大学病院でも原因が分からずじまいで、済まされてしまいましたが、一年程経つと
      自然治癒しました。

52歳   胆嚢を摘出する
      会社の人間ドックで胆嚢に影が見つかり、悪性良性の判断がつきかねるということ
      で胆嚢を摘出する手術を受けることになりました。腹腔式という手術で受けたので
      すが1週間程で退院出来10日後に仕事に戻りました。幸いにも良性のものだった
      ためそれ以降は、新たなものは見つかっていません。

54歳   血圧がヒートアップする
      たまたま献血でもしようかと思い献血センターに行ったのですが、血圧を測られて
      あなた血圧高すぎで無理、すぐに医者に診てもらえとお姉さん看護師さんに言われ
      受診したところ、200・150位でKO。ここから毎月医者通いが始まる。現在
      も服薬が続いているが、血圧は値はそのお陰で安定している。

68歳   血小板の病気になる
      市の定期検診で、血小板の数が異常に多いことが判明し、大学病院の血液内科で精
      密検査を受けたところ、本態性血小板血症と診断される。このため、また新たな服
      薬始めるこになる。ドクターにいつまで続けるのか尋ねると、あなたが死ぬまでで
      すよと、済ました顔で宣告された。

と、いうことで次に何が起こるのか楽しみ! ではもちろんありませんよ。日々、衰えて行くのが分かります。生老病死の四苦の中、三つは体験出来ました。後は死のみです。このサイトはそれまで頑張って続けようと思います。

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